エストロゲンの減少がたるみに直結|生理前にむくみとたるみが起こるワケ
生理前にお肌がたるむのは、エストロゲンが足りないから!?
生理がくるとお肌の調子が悪くなることは珍しくありません。ですがお肌の「たるみ」がひどくなる・・もしくは「むくみ」やすくなるという経験はありませんか。
生理前は女性ホルモンの分泌バランスが変化します。その結果、女性ホルモンの一つである「エストロゲン」が減ることで「たるみ」や「むくみ」が起きやすくなるのです。
エストロゲンとお肌との関係について、くわしく見ていくことにしましょう。
1.エストロゲンとお肌の関係
エストロゲンは、お肌のコラーゲンと深い関わりがあります。一見関係なさそうに思うかもしれませんが、繋がっているのです。
エストロゲンは「美肌の元」とも言われていて、”お肌のみずみずしさ”や”ツヤ”、”ふっくらした女性らしい体”を作り出すのに不可欠なもの。
自律神経をコントロールする働きもあるので、エストロゲンの分泌が悪いとイライラや情緒不安定の元にもなるほど影響が深いものなのです。
エストロゲンと、お肌の「たるみ」
エストロゲンはお肌のコラーゲンの合成を促進し保つ働きがあります。エストロゲンが繊維芽細胞(せんいがさいぼう)に働きかけ、コラーゲンやエラスチンを代謝させる働きがあるのです。
代謝とは、古いものと新しいものが入れ替わることを指します。
加齢により肌のコラーゲン量が減ることはみなさんご存じだとは思いますが、30歳を過ぎるとお肌の老化が本格的に進行していきます。徐々に真皮を構成するコラーゲンが減少していくのです。
新しいコラーゲンが生まれにくくなり、古いコラーゲンでお肌が「スカスカ」の状態に。
お肌の弾力がなくなるので、指で肌を押しても「めりこむ」ようになり、戻る力がよわくなってしまうのです。
重力に負けて皮膚が垂れたまま「たるむ」というお肌トラブルになりやすいのです。
生理周期の影響でエストロゲンの分泌が減る他、コラーゲンそのものも加齢で少なくなるのでますますお肌が生理前にたるみやすくなるという悪循環になっています。
エストロゲンと、お肌の「むくみ」
生理前になると、たるみだけでなく「顔がむくみ」やすくなる方も多いかもしれません。
エストロゲンの影響というよりも、もう一つの女性ホルモンである「プロゲステロン」の増加によるものが大きいです。
生理前は、エストロゲンの分泌量が減り、プロゲステロンの分泌が増加していきます。
プロゲステロンは別名「妊娠ホルモン」といい、妊娠して元気な赤ちゃんを産むのに必要な体内環境を整えるためにあります。
皮脂の分泌を増やしたり、新陳代謝を遅らせる、水分をため込みやすくなるなど「体にため込む」ことを強くするホルモンでもあるのです。
生理前はプロゲステロンが増えることで、水分代謝が悪くなり「顔がむくむ」ようになります。
2.生理前以外でも、エストロゲンは減る
生理前になると減少するのが「エストロゲン」。ところが、年とともに減少するリスクもあります。
加齢によって卵巣機能が低下すると、分泌量は年々減少してしまうのです。
30代の後半から終盤、40代に向けて、エストロゲン分泌量は一気に低下低下していくことが明らかになっています。
さらには出産時やストレスによる生理不順など、一時的に女性ホルモンの分泌バランスが極端に悪くなることもありますので 注意が必要なのです。
「疲れてるからたるんでる」と多くの女性が思うのですが、実際は女性ホルモンの分泌バランスが乱れているケースも多く油断はできません。
では日々のケアで、どのように対処すれば良いのでしょうか。
3.エストロゲンを増やすには?
エストロゲンの分泌量を増やすには、いくつかの方法があります。
毎日の食事やサプリメントで補う方も多いですが、他の栄養分と違い「過剰摂取」のリスクが高い欠点もありますので用法には注意が必要です。
取りすぎると、生理周期が乱れたり子宮の疾患に繋がるリスクもあるのです。
では、どういった方法でエストロゲンを増やせるのでしょうか。いくつか紹介します。
食事でおぎなう
エストロゲンは普段の食事でもおぎなうことができます。
特に抑えておきたいのが「大豆イソフラボン」です。大豆に含まれている特殊な成分の一つで、エストロゲンと体内で似たような働きをするものなのです。
美容だけでなく健康にもよい成分として注目されています。
納豆・豆腐・豆乳・味噌などの大豆関連食品には、豊富に大豆イソフラボンが含まれています。
ちなみに、大豆イソフラボンの1日あたりの摂取目安量は70~75mgと言われており、納豆なら1パック半分、豆腐ですと4分の3丁と、思ったほどの量ではありません・・。
サプリと違い、過剰摂取を長期間続けない限り影響は受けないとされていますが、とにかく美肌のためにたくさん食べすぎても体の毒になるので、注意しましょう。
サプリメント
普段の食事で、バランスよく食べる余裕がない・・という方は、補助的にサプリメントを飲むというのも一つです。
直接イソフラボンを配合したサプリもありますが、プラセンタのようにエストロゲンの分泌をサポートするものの方が体には安全なのです。
プラセンタそのもに美肌効果もありますし、不足しがちなエストロゲンの生成をサポートもするので一石二鳥です。
ホルモン補充療法
おもに更年期症状の改善に使われている療法ですので、一般的ではありません。
飲み薬、貼り薬(貼付剤)、塗り薬(ジェル)などでエストロゲンをおぎないます。婦人科で医師の指導の下に行い、健康保険が適用する場合もあります。