コラーゲンって何?その正体から働き、補い方までを紹介
お肌のハリを取り戻すにはコラーゲンがいいっていうけど、どういうものなの?
「コラーゲン=お肌にいい」というのは、私たちの中で定着しています。でもコラーゲンって、そもそもどういうものなのでしょうか。
お肌によくても、体の中でどう働いているのかについて知っておいて損はありません。このページでは、身近なコラーゲンをさらに身近に感じてもらうために「コラーゲンとは何か?」についてまとめてみました。
1.コラーゲンとは、何者?
コラーゲンはタンパク質の一種です。タンパク質はわたしたちの筋肉など、体をつくるのに不可欠な栄養素です。
わたしたちの体は、およそ60%が水分でできています。タンパク質はその次に多い20%をしめます。さらに15%が脂肪という体につくりにな っています。
体重の20%が、タンパク質でできているのです。そのうちの30%が、コラーゲンなのです。たとえば体重が50キロの人だと、
50キロ×20%×30%=3キロものコラーゲンが、体の中に入っていると言うことなのです。思った以上に、コラーゲンが体に占める割合が多 いと思いませんか。
コラーゲンは、体のいろいろな場所に占めています。一番多いのは皮膚の真皮で、40%を占めています。
骨や軟骨は10~20%を占めています 。カルシウムではなくコラーゲンというところが不思議な感じがするかもしれません。
皮膚や骨以外にも、体の臓器や血管の一部もコラーゲンから出来ています。特に血管はコラーゲンの7~8%の割合です。コラーゲンが弱くなると血管が硬くなり動脈硬化などの成人病のリスク もあるのです。
美容によいものだとばかり思っていた方も、健康のリスクにまで広がっているとは驚きかもしれません。
コラーゲンというと、どんな形をイメージされるでしょうか。コラーゲンを低分子にするという話を聞いた方なら、球体や粒のような形をイメージされるかもしれません。
コラーゲンは3本の線がからみあってできています。電源コード、もしくは鎖を束ねたような形をしているのです。「繊維状コラーゲン」ともいい ます。
線の1本1本は、なんと1000個ものアミノ酸がつながってできているのです。
コラーゲン同士は、架橋(かきょう)といって、それぞれの線ごとをくっつけています。
2.コラーゲンのはたらき
私たちの体は、およそ60兆個もの細胞からできています。コラーゲンは、細胞と細胞をくっつけるための「接着剤」のような働きをしています。
コラーゲンがないと、細胞にスキマができてしまい体の強度を保てなくなってしまうのです。また、体の臓器の位置が安定しているのもコラーゲンがきちんと接着しているから。
お肌の内側にある「真皮」のついて、くわしい働きを見ていくことにしましょう。
真皮はたとえるなら「水をたっぷり含んだ、キッチン用のスポンジ」のようなものです。
コラーゲンはスポンジの70%を占める、とても貴重な成分。コラーゲンは3本の線がからまった配線コードのような形をしていますが、真皮の中 で「金網」のように張り巡らされているのです。
コラーゲンはベッドの中に入っている「スプリング」のようなものと考えれば良いでしょう。上からの圧力を支え、重さを跳ね返す力があるのがコラーゲンなのです。この「押したら戻る」というのが「お肌の弾力」と呼ばれています。
コラーゲンとコラーゲンを繋ぎ止めるエラスチンと呼ばれる部分もあります。コラーゲン同士を繋ぎ止める「金具」のようなイメージです。エラス
チンがないと、コラーゲンの弾力が十分に発揮できません。
コラーゲンの中に入っているのが「ヒアルロン酸」です。ヒアルロン酸は1グラムでおよそ6リットルの水を蓄えられる力を持っています。また、
ヒアルロン酸は代謝が盛んであり、2日程度で作り替えられます。
「コラーゲン」「エラスチン」「ヒアルロン酸」いずれも真皮にある「繊維芽細胞(せんいがさいぼう)」と呼ばれる部分でつくられています。真
皮には毛細血管が通っているので、血液に流れて栄養分を送り込んでいるのです
3.コラーゲンはどんどん不足する
年を重ねるとコラーゲンが減少する、という話は聞いたことがあるかと思います。ただしくは「代謝」なのです。
コラーゲンを含むタンパク質は常に「代謝」されています。代謝とは、分解と合成を繰り返すことを指します。
●分解・・古いコラーゲンを壊す
●合成・・新しいコラーゲンを作り出す
加齢でコラーゲンが減少するというよりも、代謝のスピードが衰えてくるのです。古いコラーゲンを壊す一方で、新しく作り出す働きが鈍くなっていきます。
お肌の曲がり角ならぬ「コラーゲンの曲がり角」は20才からはじまります。40代は、20代の半分になるといわれています。
コラーゲンの量が減っていくだけでなく、古いコラーゲンが占める割合が多くなるので肌が「劣化」してしまうのです。
古いコラーゲンが増えてくるので、お肌の弾力やハリが失われていく『肌老化』に繋がってしまいます。肌老化というと女性のイメージが強いですが、男性も女性も平等に衰えがやってきます。
加齢によってコラーゲンの働きは悪くなります。私たちがよく耳にする老化現象は「酸化」ではないでしょうか。普段の呼吸から取り入れた酸素のうち、使われなかった分が悪玉の「活性酸素」と呼ばれるものになり、体をさびつかせます。
コラーゲンの場合は、酸化よりも「糖化」による影響が強いと言われています。私たちが普段の食事でとりいれる糖分の一部が、タンパク質と合体すると「AGEs」と呼ばれる悪い物質ができます。
「AGEs」はコラーゲン同士をくっつけている「架橋」と呼ばれる部分に張りつきます。その結果、コラーゲンが分解されにくくなり古くて固くなったコラーゲンばかりが増えてしまうのです。加齢によりコラーゲンを新しく生み出す「合成」も落ちてしまうので、ますます古いコラーゲンばかりがお肌を占めるようになります。
お肌のハリがない、骨がもろくなるのも「糖化」によるものだと言われているのです。
老化現象は「酸化」と「糖化」がありますが、それぞれが独立したものではありません。酸化によって増えた悪玉の活性酸素が、AGEsの発生にも関わっています。お互いに深い関連があるのです。
こうした老化に対抗するには、どうすればよいのでしょうか。
酸化を防ぐために、ストレスや不規則な生活を改めること。糖化を防ぐのに糖分の過剰摂取をできるだけ避けるというケアは基本です。
さらにコラーゲンペプチドをとることによって、お肌の細胞を活性化させてコラーゲンの代謝(分解と合成)を促進することができます。
いつまでも健康なお肌を保つには、コラーゲンペプチドをうまく取り入れることが大事になってくるのです。
4.コラーゲンは、どうやっておぎなう?
コラーゲンはおもに、私たちの普段の食事でもとることができます。食事以外にもサプリやドリンクという形態でもあります。具体的に見ていきましょう。
コラーゲンを食べ物から摂る場合、代表的なのは「煮こごり」です。魚のアラの部分や手羽先の骨を煮て、それが冷えて固まったものがコラーゲン
になるのです。
煮こごりは毎日続けるのが難しいので、今はコラーゲンを摂るとなると「ゼラチン」の形でとることが多くなっています。
「ゼラチン」とは、動物の体にあつコラーゲンを加熱分解してつくられたものです。
コラーゲンは3本の線ですが、熱を加えることで1本の線に分解されます。コラーゲン=3本の線・ゼラチン=1本の線と考えれば、わかりやすいでしょう。
コラーゲンの分子量(1つあたりの大きさ)を小さくしたものが、ゼラチンです。
ゼラチンは温かいお湯にはよく溶ける反面、一旦冷えてしまうとゼリーのように固まってしまうので食べるときは注意が必要です。
コラーゲン・ゼラチンと来て、ゼラチンよりさらに分子量が小さいのが「コラーゲンペプチド」と呼ばれるものです。ゼラチンをさらに酵素を使って分解し、水にも溶けるようにしています。
コラーゲンペプチドはおもに動物性で、豚や牛の皮や、骨、魚の皮やうろこをつかいます。ゼラチンとして食べるよりも吸収が良いのです。
~参考:コラーゲンの分子量~
コラーゲン:30万
ゼラチン:10万
コラーゲンペプチド:数百~数千
食べ物から摂取するコラーゲンやゼラチンは吸収率が悪いので、はじめからコラーゲンペプチド化したサプリやドリンクで摂取する方が効率が良いです。
食べ物もできるだけ食べつつ、プラスアルファとしてコラーゲンサプリなどを検討してみてはいかがでしょうか。