コラーゲンの摂取量を考えてもムダ?大事なのは量より吸収率

コラーゲンって、どのくらいとればお肌のハリを取り戻せるんだろう?

サプリやドリンクでコラーゲンをおぎなう場合、できるだけ効率よく摂取したいもの。

わたしたちが真っ先に考えるのは「量をたくさんとれば、効果がその分でる」ということではないでしょうか。

コラーゲン以外の栄養素でも、一日の摂取基準がありますし、サプリごとに配合量もあったりします。自分なりの基準を作って、量をクリアできるものを探したいと思うのは自然のことかもしれません。

ですが、コラーゲンサプリは摂取量がすべてではありません。

量をとるのがダメというわけではありません。「量だけ」で判断しても、思うような効果が得られにくいのです。

・どうして、量にこだわるだけでは良くないのか

・どんな基準で、コラーゲンサプリ選びをすればよいのか

について、くわしくお話ししていきたいと思います。

1.一日当たりのコラーゲンの摂取量は何mg

まず気になるのは「1日最低どのくらい摂取することが必要なのか」という点ではないでしょうか。

厚生労働省が公開している「日本人の食事摂取基準」というデータには、性別・年齢別に炭水化物・タンパク質・ビタミン・ミネラルといった成分の一日当たりの推奨摂取量が記載されています。

「1日の必要量」として情報がのっているのは、厚生労働省が出す数字を元にしているものがほとんどです。

ただし、コラーゲンについては摂取量が書かれていません。

もともとが「タンパク質」の一種なのであえて書かれていないというのと、「健康を維持する」ことに直接関わっていないため、1日の推奨摂取量がないのです。

摂取量はきまっていませんが、目安となる量はあります。1日5~10グラムです。(5000mgから10000mg)

いくつかの研究によって、「おおよそこのくらいコラーゲンがあれば、お肌は健康になるだろう」という”予想の数字”なのです。

はっきりとした根拠にもとづいた数字でないので、「1日5~10グラム」というのも「あくまで目安」くらいに考えておくくらいで良いでしょう。

参考:コラーゲン含有量の多い食材

ちなみに、コラーゲンを多く含む食べ物で、「1日5~10グラム」をクリアできるものはいくつかあります。

※100g中のコラーゲン量

フカヒレ(9.92g)・ハモ(7.66g)・ウナギの蒲焼き(5.53g)

コラーゲンは毎日継続してとらなければ、意味がありません。ここでピックアップした食材を毎日続けるのは、かなりのハードルになるのではないでしょうか・・。

2.コラーゲンは量よりも吸収率が大事

コラーゲンは、たくさんとること以上に「吸収率」を考えなければなりません。

「コラーゲンは口からとっても意味がない」とはよく言われる話ですが、正しい採り方でないので意味がないのです。

本来わたしたちの体内にあるコラーゲンは、皮膚で生まれて日々生まれ変わっているものなのです。加齢によって、作り出す力が衰えてしまい、コラーゲンを”口から入れる(経口摂取)”必要が出てきます。

参考:コラーゲンの加齢による減少

0才のコラーゲン量を100%とすると、

●20才で90%以上

●30代で80%

●40代で70%

●50代で半分

のコラーゲン量に減少していきます。

出典:藤本大三郎「老化のメカニズムと制御」

よく、スキンケアでコラーゲンをおぎなおうと勧めるメーカーもありますが、皮膚からコラーゲンを入れても真皮にまで届かないのでほとんど意味がありません。

口から入れたコラーゲンも、そのままの状態では体への吸収力がよくありません。なぜならコラーゲンは分子量(粒の大きさのようなもの)が大きすぎて、小腸で吸収するのが難しいからです。

コラーゲンを食べ物で食べても、効果が薄いのはこうした「分子が大きすぎる」という面もあるからなのです。

サプリやドリンクですと、コラーゲンを小さく加工したものが多く、吸収力をカバーすることができます。

コラーゲンは口からいれると、胃で細かく分解されて、小腸で吸収されます。吸収されてから体内のコラーゲンとして働くので、いかに小腸で吸収されるかがカギになるのです。

コラーゲンは「ペプチド」という、コラーゲンの筋を細かくカットした状態で摂取する、豚のコラーゲンよりも魚のコラーゲンで摂取した方が粒が小さいなど、吸収力を高めるにはいくつかのポイントがあります。

・コラーゲンペプチド(低分子コラーゲン)にしたもの
・可能であれば、魚のコラーゲン

という条件をクリアしつつ、最終的に「配合量」を考えるというのが本来のコラーゲンサプリの選び方です。量だけ沢山入れれば何とかなる、という単純なものでもないのです。